♪コモ湖国際ピアノアカデミー、ペリー先生&ブーレ先生(5月24〜27日)
2007-07-04 Wed 08:59
今回のセッションは、二人の先生のマスタークラスが同時にあり、たまたま参加人数も少なかったので、毎日のようにお二人のレッスンがあって忙しかった。

ジョン・ペリー先生はロサンゼルスの南カリフォルニア大学で教鞭をとっていらっしゃる。とても厳しい先生だと人から聞いていたが、蓋を開けてみると非常に優しく、むしろ終始ご機嫌で何度も冗談を飛ばしていらした。聞けば、この度再婚され、ハネムーンとしてイタリアにいらしたとのこと。僕は今回スカルラッティのソナタ4つと、ショパンのバラード第2番、アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズを用意していたが、先生は気になるポイントのみ指摘してすぐに次の曲へ進めるので、余った時間でアルベニスも弾いた。どの曲も素敵なアイデアをくださった。

ローラン・ブーレ先生はベルギー出身で、ご自身が手の障害を負って演奏活動を断念された後、ピアノ奏法やテクニックを生理学・解剖学的に研究されている。その影響もあってか、彼のレッスンでは作品の解釈よりも効率良いピアノ奏法を中心にアプローチしていて、興味深かった。基本的なことだが、呼吸や姿勢を意識することによって、難しいパッセージや長いフレーズが弾き易くなった。

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一番手前がブーレ先生、すぐ左がペリー先生
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♪グレンスフォールズの思い出 (5月2〜7日)
2007-07-03 Tue 04:48
2日に電車でNYから北のグレンスフォールズに向かった。
数日後にグレンスフォールズで共演するロベルト・プラノさん(2001年クリーヴランドコンクール優勝者)が、そこから車で1時間半ほどのキンバルファームでリサイタルをするということで、この機会にグレンスフォールズのホストファミリーの夫婦(ボブさんとバルバラさん)、そして僕らがお世話になっているボストンのマネージャーのジョー・アルトマンさんと、久しぶりの再会を予定していたのだ。

ロベルトはその日にミラノからボストンに着き、ジョーの車で3時間かけて会場入りすることになっていた。「万が一彼の飛行機が遅れた場合は、代りに弾けるように準備していて欲しい」とジョーに言われていたので、僕は一応心構えをしていた。だが、幸いロベルトは無事に着いたので、僕は観客の一人として、彼のリサイタルをゆっくり聴けた。
会場は、リタイアした方のための施設でとても和やかな雰囲気だった。ロベルトは既にそこで弾いてそれを知っていたので、ハードなスケジュールでもこなせると思ったのだろう、トークをしながらスカルラッティ、リスト、シューマンを余裕を持って弾いていた。

主催するお婆さんと演奏会前後に話をして気が合い、ジョーもその場にいたので、僕も近い将来呼んでもらえることになった。

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左からジョー、ロベルト


3日からの5日間、僕とロベルトはグレンスフォールズシンフォニーのマネージャー(上記のボブさん)のお宅にお世話になった。僕ら二人ともがカムバック公演だったので、お二人に家族のように迎えられ、楽しいひと時を過ごした。
二人のクリーヴランドコンクール優勝者がプーランクの2台ピアノのための協奏曲を弾くというのは、ボブさんのアイデアだったが、考えてみればとても珍しいケースだ。その地方の新聞にも取り上げられ、インタビューで二人の間にライバル意識があるか聞かれた。しかし実際、僕とロベルトは2004年の春にクリーヴランドで会って以来、何度もメールでやりとりをし、昨年からコモ湖のアカデミーにも一緒に参加し、お互いの演奏を聴いて学び合う仲なので、同じコンクール優勝者同士のライバル意識は全くない。それどころか、しょっちゅうからかい合っているので、バルバラさんに「あなたたち兄弟みたいね」と言われた。
一番可笑しかったのは、車の中で。僕が助手席に座り、ロベルトが後部席に座っていた。彼がいきなり「洸太朗、おまえまた白髪が増えたんじゃない?」と言ってきたので、僕はすかさず「ロベルト、君はまた薄くなったね。」と返した(笑)。
また、ロベルトは僕より演奏活動の年数と経験が豊富なので、話をして沢山学ぶものがあった。彼は結婚して昨年子供もできたので、練習時間を確保したり演奏会で飛び回ることが難しくなってきた、と言っていたが、それでもこの3か月にヨーロッパとアメリカを4往復し、6つの違うコンチェルトと多数のリサイタルをこなしている。この夏はゆっくりイタリアで過ごすそうだ。

さて、短期間の合わせを経ていざ本番。プーランクの『2台ピアノのための協奏曲』は、いろいろな要素が次々と展開する中、ふと古典的なカデンツが現れる、とても楽しい曲だ。プーランクは楽譜内に楽器の配置を細かく指示しているが、ステージの幅と音響の関係で通常の協奏曲同様、ピアノ−指揮者−オーケストラの順番で並んだ。

アンコールを弾く前に、僕が曲をアナウンスしたのだが、ここで恥をかいてしまった。曲のタイトルを正確に覚えておらず、「ミヨーの組曲『スカラムーシュ』から最終曲、・・・」と言って一瞬楽譜を振り返り、見えた文字がb,r,z,i,l,aだったので、とっさに「ブラジリアを弾きます」と言った。次の瞬間椅子に座ってタイトルをよく見ると、『Brazileira(ブラジレイラ)』だった!!恐る恐るロベルトの顔を見ると、「まったくお前は…」と言いたげな呆れた表情を隠すかのような笑顔をしていた。「ただブラジルの首都とブラジル人女性を間違えただけじゃないか」と僕は開き直って(?)、カーニバルのような曲を快活に弾いた。(もちろん後で謝った。)

翌日、僕らはジョイントコンサートをすることになっていた。ロベルトはベートーヴェンの熱情ソナタを、僕はアルベニスのイベリア第4集を弾き、後半4手連弾でシューベルト晩年の名作、幻想曲ヘ短調を弾いた。演奏会で連弾をしたのはかなり久しぶりだったが、とても楽しく弾けた。
この時のアンコールは、ミシガン大学で教えるローガン・スケルトン先生が7つのアメリカンフォークソングを連弾用に編曲した『アメリカンスケッチ』から1曲。僕らが弾いた『Billy Boy』はヴァリエーション形式になっており、4手が激しく交差したり、グリッサンドや腕全体で弾くなど、巧みな技巧が駆使された遊び心満点の曲だ。最後はフェイントを使いコミカルに終わるので、アメリカ人には大いにウケたようだった。
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♪NY滞在 (5月1日)
2007-07-03 Tue 04:31
二年ぶりにNYに来たが、30日の夜遅くに着いて2日の朝発ったので実質一日しか動けなかった。それでも、今年創立100周年を迎えたNYジャパンソサイエティを訪れ、武満さんのCD発売やそれを記念する演奏会を紹介させて頂き、ホールを見学、墨の絵の展覧会を鑑賞した他、知り合いに紹介された指揮者や、NYに留学中の友人とも会い、夜は州立劇場でプロコフィエフのバレー<ロメオとジュリエット>も観ることができ、とても充実した滞在となった。

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NY州立劇場の入り口。この時の演出は世界初ということで、沢山のマスコミがかけつけ、会場にはクリントン元大統領の姿もあった!
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